「結婚してください」、これを言ったのは女性?男性?
突然ですが、みなさん以下のようなシチュエーションを想像してみて下さい。
夜景の見えるすてきなレストラン。
2人客が座るテーブルに食後のデザートと一緒に花束が運ばれてきました。
そして向かいに座る相手がキラキラした指輪を出しながら「一生あなたを大切にします。結婚してください」というプロポーズ。
どうでしょうか?
あなたがイメージした人物像、性別はどうでしたか?プロポーズしたのは男性?女性? 花束と指輪を受け取ったのは女性?男性?
恋愛映画からジュエリー店の広告まで、世界さまざまな国で「プロポーズは男性から女性にするもの」という固定概念があるのは間違いない事実です。
そもそも、「プロポーズは男性からするのが一般的」という価値観は、「結婚時、女性は男性に選ばれるもの」「男性が養う」「男性側の家に入り、当然名字も変わる」などという家父長制の名残りによるものでもあります。
近年、「男女平等、ジェンダーフリーな社会に」といわれていますが、恋愛関係におけるジェンダーロール(性別役割)は、まだ曖昧なもの。
決して、プロポーズする男性・それを受ける女性を批判したいのではありません。
ただこのような考え方を始め、性別の役割行動を「普通」で「最適」で「理想」だと決めつけないように、多様性を意識していただきたいのです。
また、ジェンダー問題と言うと女性をテーマにしたことが多くとりあげられていますが、男性にも影響をおよぼしています。
「男性がプロポーズをするもの」という意識が定着しているため、将来的に仕事をして家計を支える経済力を期待されがちです。そして家事・育児の負担が女性に大きく偏る一方で、男性は労働しお金を稼いでくることが求められる社会がまだ根付いています。
このような固定概念や風潮があることで、自分の本来の意思を表現できず、メンタルヘルスにも悪影響が出ることがあります。
今回挙げたこと以外でも、きっとみなさんが普段から感じている「これって変じゃない?」と思うジェンダーロールはたくさんあると思います。
そしてその都度疑問を持ち、もし適切でないのなら、社会の認識を見直して行くことで性別へのフォーカスではなく、個人へと焦点を当てるようにできれば、ジェンダー平等・多様な性への寛容・LGBTQ+にもっと理解ある社会に繋がっていくでしょう。
自分の身の回りの出来事から考え、意識する機会をもっと持てたらいいと思います。