女の子の人生を豊かにするのは水汲みからの解放
みなさんこんにちは。
SDGsを経済の観点から捉えた記事を主にUPしています。eSです。
コロナ禍でアクティブに行動できなかった4年弱の間に1つしたことがありました。それはマラウイにつくる井戸に対しての寄付です。私はお金持ちでもない普通の一般人です。なのでとんでもない額を寄付したわけではありません。1回のちょっといいランチ代ぐらいでした。けれども”寄付する”という行動をとれました。その理由は水を汲むというその役割を小さな”女の子”が担っていることを知っていたからです。
国連が定めた持続可能な開発目標SDGsの中にある6番目の目標、【安全な水と衛生の保証】は、2030年までにすべての人の安全で安価な水への平等なアクセスの達成を目指しています。それに向けたステップがあり❶すべての人が往復30分以内にアクセスできること❷すべての人が家で安全な水を確保できるようにすることです。現在国連の推定では、特にサハラ以南のアフリカでは、人口の29パーセント(地方で37パーセント、都市部で14パーセント)の人にとって、安全な水源は30分以上離れたところにあります。
家に水道がない場合、水汲みを担うのは圧倒的に女性と子ども、特に”女の子”です。サハラ以南のアフリカの24カ国の調査によれば、水汲みにかかる時間が30分を超える場合、推定で336万人の子どもたちと1,354万人のおとなの女性が水汲みの責任を負っているようです。国連の推定では、マラウィでは女性は水汲みに平均で54分かかっているのに対して、男性は6分しかかかっていません。ギニアとタンザニアでは女性が水汲みにかける平均的な時間は20分で男性の倍です。そのために時間を費やす必要があり、時間の代償は教育の機会を失うことに繋がるのです。
女性にとって、水汲みによる機会喪失の代償は教育だけにとどまらず、その影響は広範囲にわたります。子供がいる女性にとって育児をする時間が減ったり、他の家事をしたり、余暇を楽しむための時間を著しく短縮します。教育の時間と先述しましたがそれは男の子にとっても女の子にとっても、水汲みは彼らの学ぶ時間を奪い、学校に通うことすらもできなくなります。それほど、水汲みは時間がかかる作業であり、家の近くに井戸さえあればその時間は他にあてることができるのです。それを知った時に役に立ちたいと思ったことを覚えています。
水汲みをしないことは、家族全員、特に子どもたちの健康にも影響を及ぼします。当たり前ですが人の身体は60%が水でできています。命にも直結する水が確保できないことは恐怖でしかありません。そしてただ単純に水を確保すればいいだけではなく、安全性も大きな問題です。汲んでくる水自体が安全なものであったとしても、その水を運び貯蔵するため、つまり飲むまでの間に汚染される危険にも言及されています。水が安全でないと下痢性疾患の危険が高まります。下痢性疾患は5歳未満の子どもたちの主要な死亡要因であり、慢性栄養不良や発育阻害の主要な原因で、世界の1億5,900万人の子どもが影響を受けています。毎年30万人以上、また、毎日800人以上の5歳未満児が、不適切な衛生状態や安全ではない飲み水による下痢性疾患が原因で死亡しています。先進国に住む私たちの寿命がここまで伸びたのも、安全な水を確保することができたことが大きな要因でもあります。
世界中どこにいても清潔な水へのアクセスは人々の生活を左右します。健康面での必要性もはっきりしています。女性と子どもたちには基本的人権のためにも、水汲みからの解放をすべく私たちにできることはもっともっとあると思っています。
今回はたまたまマラウイへの井戸建設に貢献できましたが、そのようなことに貢献できる機会がもっとあればいいなぁと思います。そのような情報が欲しい人の手元にしっかり届くようなシステムも急務で必要なのかもしれません。