マイレビューNo. 810

人類が直面している地球温暖化というリスクからの相次ぐ脱退

こんにちは。SDGsを経済的な観点から捉えていて記事をUPしています。eSです。

CA100+から米資産運用会社JPモルガン系列が、脱退しました。CA100+(クライメート・アクション100プラス)とは航空会社や石油大手、製鉄会社などに二酸化炭素排出量の削減を促す世界的な投資家団体です。2017年に設立され、2024年現段階では700以上の投資家が参画していて、運用資産残高は合計で68兆ドル(約1京円)に上ると報告されています。

CA100+は、世界全体の温室効果ガス排出量の80%を占めていると言われる167社に対し、温室効果ガス排出量削減を求めています。この中にはもちろん日本企業も含まれており、トヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、スズキなどといった車業界をはじめ、日立製作所、パナソニック、東レ、ダイキン工業、日本製鉄、ENEOSホールディングスなどの10社が対象となっています。

京都議定書から長年に渡り温室効果ガス削減について口をつぐんできた日本が、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。また、2021年4月の地球温暖化対策推進本部および米国主催の気候変動サミットにおいて、2030年の温室効果ガス排出量を2013年から比べて46%に削減することを目指し、さらに50%に向けて挑戦を続けていくことも表明しました。 日本政府がそれまでの温室効果ガス削減目標を大幅に引き上げ、カーボンニュートラルの達成の時期を大きく前倒しする宣言を行った背景には、CA100+による提言があったと言われます。このような表現が合っているかはわかりませんが、日本政府にも口を出すことのできるCA100+という非常に影響力のあるところだとわかります。

そのCA100+より業界大手の離脱は、相次いでいます。まさにカーボンニュートラルを達成することと、気候変動対策を世界が同じ方向を向くことへの難しさを映しています。

JPモルガンとステート・ストリートはCA100+からの離脱理由については政治的な要因は未だに挙げていません。JPモルガンの投資部門は、投資に関する独自の行動規範を構築したことを受け、加盟更新をしないと決めたとしているそうです。

賛同を促すことはできても、集まったお金の使い道やこれからの方向性などを定めることの難しさを今回のニュースでより感じることとなりました。地球温暖化から地球沸騰化と呼ばれ、気候変動問題を「人類が直面する重大なリスク」としている中、理解が伴った行動力と新たなテクノロジー開発に更にのぞみを託すような、そんな2024年になっています。

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