エイジズムに縛られない社会に
みなさんは、若さが「美徳」とされることに違和感を感じる、感じたことはありますか?
日本社会はどちらかというと若さに価値を置く風潮があり、メディアや広告などでエイジズムを目にすることがあると思います。
そもそも「エイジズム」とは、年齢を理由に何かを決めつけること、固定観念や偏見をもつことで、他人だけでなく自分自身の行動などを制限してしまうことを指します。
メディアや広告におけるエイジズム
美容や健康にまつわる商品やサービスの広告などで、老いの不安を煽るものが多く見受けられます。
また「老い」自体をネガティブに扱い、実年齢より若く見える人を持てはやしたり、煽る風潮もエイジズムの表れです。
これらメディアの影響が、年齢によるステレオタイプや「若さ」に重きを置く偏った考え方を再生産する原因にもなっています。
日常生活に潜むエイジズム
年齢をかかげて恋愛・結婚にまつわる嫌味を言われたり、服装や髪型、外見を否定される、といった日常に潜むエイジズムはたくさんあります。具体的には「年齢をわきまえるべき」「いい歳して」などと年齢を理由として決めつけ、抑圧する言葉が多く聞こえ、セクシズムにもつながることがあります。
労働におけるエイジズム
労働市場におけるエイジズムとして、年齢を理由とした不採用や解雇などが挙げられます。
職種や経験にもよりますが、一般的に高齢の求職者より若齢の求職者のほうが高く評価される傾向があります。欧米諸国などで、雇用における年齢差別を禁止する法律が制定されていることからも、エイジズムが労働環境で蔓延っていることは確かです。日本では休暇の優先順位や賃金など、能力を重視したものではなくいまだに年功序列の傾向もあります。
年齢によるステレオタイプや偏見、差別を見直す
まずは、一人ひとりが年齢による偏見や差別を見直し、ステレオタイプを持たないことがエイジズムへの対策になります。
近年、性差別については敏感な社会になりつつありますが、このエイジズムに関して一人でも多く、偏見に気づけるようにするためには教育も重要な役割を果たすでしょう。
あらゆる教育の場で、正確な情報とステレオタイプのない例を提供することで、さまざまな年齢層に対する誤解を払拭し偏見を減らすことがエイジズム対策になります。