地域・国No. 840

ゾウから牙が消える日。そんな未来を創らないためにできることとは?

アフリカの広大なサバンナを歩く、堂々としたゾウ。その巨体と、天に向かって伸びる美しい牙は、長年ゾウの象徴でした。しかし、今、世界で「牙のないゾウ」が増えていることをご存知でしょうか?

象牙の取引が国際的に禁止されているにもかかわらず、密猟は後を絶ちません。

違法な象牙を狙う密猟者によって、牙を持つゾウばかりが命を落とす結果、牙を持たないゾウが生き残り、その遺伝子を残すという進化が起こっているのです。かつてはごく稀だった牙のないゾウが、一部の地域ではメス全体の30%にも達していると言われています。

牙がないゾウは、密猟の危険からは身を守れますが、実はそれによって新たな問題も生まれています。ゾウは牙を使って木の皮を剥いだり、地面を掘って水を探したりします。牙がなければ、こうした行動ができなくなり、彼らの生態系に大きな影響を及ぼしかねません。

牙のないゾウから見える進化の危機イメージ画像

牙のないゾウから見える進化の危機

「スーパータスカー」と呼ばれる、巨大な牙を持つオスのゾウは、現在、世界に20頭ほどしかいないと言われています。彼らはゾウ社会のリーダーであり、その遺伝子を未来へとつなぐ重要な存在です。しかし、密猟のターゲットとなりやすく、その数は減少の一途をたどっています。

では、一度失われたゾウの牙は、再び元に戻るのでしょうか?

遺伝子の変化は、長い時間をかけてゆっくりと起こります。密猟によって牙のないゾウが増えている現状は、ゾウの進化が「環境適応」という自然のプロセスではなく、「人間の活動」によって歪められていることを示しています。

このまま牙のないゾウが増え続ければ、いつかアフリカから大きな牙を持つゾウが姿を消してしまうかもしれません。

人間が密猟をやめ、ゾウにとって安全な環境を築くことができれば、牙を持つゾウの遺伝子を持つ個体が再び増え、何世代も先には、ゾウの牙が復活する可能性はゼロではないでしょう。

しかし、そのためには、私たちも行動を起こす必要があります。 遠い国のゾウを守るために、私たちにできることとは?

「象牙の商品なんて買わないから、自分には関係ない」そう思っていませんか?

しかし、私たちが日々触れる商品の中には、形を変えた象牙が使われている可能性があります。例えば、漢方薬や美術品、装飾品などです。また、海外旅行のお土産として、知らず知らずのうちに象牙製品を購入してしまうケースもあります。象牙の需要がある限り、密猟はなくなりません。

だからこそ、私たちは「買わない」という選択をすることが大切です。

インターネットの普及により、珍しい動物がペットとして簡単に売買されるようになりました。パンダやキリンのように知名度が高くなくても、希少な動物たちが違法に取引されているケースは少なくありません。

私たち一人ひとりが、地球に生きる野生動物たちを尊重し、共生していくという意識を持つことが重要で、行動のひとつです。

私たちの行動が未来を変える

1. 知識を深める
ゾウが直面している問題について、正しく理解することが第一歩です。ドキュメンタリーを見たり、書籍を読んだりして、ゾウの現状を知りましょう。

2. 買わない、使わない
象牙製品や、希少な動物を原料とする製品を「買わない」「使わない」という強い意志を持ちましょう。

3. 発信する
SNSなどを通じて、ゾウの現状や、私たちができることを発信しましょう。あなたの声が、誰かの意識を変えるきっかけになるかもしれません。

4. 支援する
ゾウの保護活動を行っている団体を応援することも、大切な支援になります。寄付やボランティア活動への参加など、できることから始めてみましょう。

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遠い国の話ではない、私たちの未来の話

「ゾウから牙が消える」という事態は、単に遠い国の出来事ではありません。それは、人間が自然に与える影響の大きさと、私たちがどう生きるべきかを問いかけています。

私たちが行動を起こせば、ゾウの未来は変わります。そして、それはきっと、私たち自身の未来をも変えてくれるでしょう。

さあ、今日からできることを、一緒に始めてみませんか?

 

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編集部

TSUNAGOOD編集部です。サイト編集・運営を担当しています。

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