昆虫食とSDGsはどのように繋がっている?
学校の給食や調理実習でも取り入れられるなど最近昆虫食がSDGsによいと注目を浴びています。今回は、昆虫食とSDGsの関係について紹介したいと思います。
結論から述べると、昆虫食は牛や豚、鶏などに代わるタンパク質源として、
SDGsの「2番:飢餓を無くそう」と「13番:気候変動に具体的な解決策を」の2つの目標に貢献するため注目されています。
2番 飢餓を無くそう
アジア、アフリカを中心に世界人口は増加し続けており、2050年には90億人を突破すると言われています。これに伴って、動物性タンパク質の需要も増加するのですが、現在のタンパク質源である肉だけでは供給の増加に限界があるため、タンパク質やミネラル等の栄養が豊富なコオロギなどの昆虫が肉に代わるタンパク質源として注目されているのです。
13番 気候変動への具体的な解決策を
現在のタンパク質源である牛、豚、鶏はその生産過程で環境負荷が大きいことが問題になっています。1番環境負荷の大きい牛肉では、1㎏の肉を生産するのに水22,000Lを消費し、温室効果ガスを2,850g排出していると言われています。これに対してコオロギでは、1㎏の生産に水は420Lしか必要とせず、温室効果ガスの排出量は1.6gに抑えられるというデータもあります。生産に必要な資源が少なく、温室効果ガスも削減できることから、昆虫食が気候変動への解決策として注目されているのです。
※追記
2018年には内閣府がコオロギ食について注意喚起していたこともあり、
https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05010960149
(食品安全委員会/欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としてのヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)についてリスクプロファイルを公表)
安全性について疑問視する声もあります。
コオロギ粉末給食を出した学校には苦情が寄せられており、情報精査の必要性があります。
まとめ
昆虫食は、タンパク質が豊富で栄養価が高いことと、飼育に必要な資源が少なく環境にやさしいことから、飢餓の問題と気候変動への解決策としてSDGsに貢献すると期待されています。
現在日本では昆虫食の習慣がほとんどないため、昆虫食に抵抗感がある人が多いことや、昆虫を安全に養殖するための設備基準など、昆虫食を広げていくにあたり、まだまだ課題はありますが、より温室効果ガス排出量を抑えた畜産業の実現や、培養肉、大豆ミートなど様々な解決策と並行して行うことで、サステナブルな食の実現に向かってほしいですね。
この記事をよんで昆虫食が気になった方は、パウダー状になっていて食べやすいプロテインバーなど、試しやすいところからチャレンジしてみませんか?