子どもの心を守る法律⁈ついに世界ではじめて可決へ
こんにちは。SDGsを経済的な観点から捉えていて記事をUPしています。eSです。
私たちの常識はすぐに非常識になり、そしてまた新しい非常識があっという間に常識化する。スマートフォンの話です。現在のようなタッチパネルで操作するスマートフォンの形式を確立したのは、2007年に発売されたApple社の「iPhone」です。
日本では2008年に2代目の「iPhone 3G」から販売が始まり、2009年にはAndroidの発売も開始されました。2010年の調査開始当初はスマートフォンを使っていた人は携帯電話所有者の約4%だったと言われています。私は使いづらそう、文字は打ちづらそう、そんなに機能があっても使いこなせそうもない、赤外線通信がないならどうやって連絡先を交換するの??と、とにかく批判的でした。
その後スマートフォンは2015年に5割、2017年に7割、2019年に8割、2021年に9割を超え、ここ10年で急速に普及しています。日本のスマートフォン利用率は、2024年1月時点で携帯電話所有者の97%と報告されています。そして今はこれがなければ生活ができない。朝起きてやることはスマホをチェックすること。赤ちゃんでさえスマホの動画であやされると大人しくなる…そんな時代へと変化してきました。
けれども、開発者でもあるスティーブ・ジョブズ氏は、自分自身の子供には、スマートフォンは使わせない。と公言していたほど、その裏にある”依存性”を理解していたと言われています。
オーストラリア議会は2024年11月28日世界で初めて、16歳未満のSNS利用を禁止する法案を可決しました。対象はXやTikTokなどで、子どもが接続できないようにする対応を怠った企業には罰金が科されます。
法律は成立後、1年後に施行される予定で、もしルールを破って子どもがSNSを利用したとしても使用した子供や保護者が罰せられることはないです。今回は運営サイド側への法律であり、「インスタグラム」や「フェイスブック」なども対象となります。なので、今後1年以内に運営するIT企業は子どものアカウント作成を阻む措置を確立する必要があります。違反すれば運営企業には最大で4950万豪ドル(約50億円)の罰金が科されるので、早急に手筈を整えていると思われます。
ではなぜこのような事態に陥っているのか…それは兼ねてから言われている”スマホが脳に対して悪影響を及ぼすことがわかってきているから”だと思います。依存性や、うつ病の発生率、不安障害との関係性など…数え上げればたくさん出てきます。オーストラリアでの今回の可決に至った経緯を調べてみたところ、SNSを通じて子どもが暴力的な動画などの有害コンテンツに接したり、何度も同じような動画や投稿を見ることによっての偏った考え方を固執してしまう可能性、が挙げられており、子どものこころの健康を守る狙いがあるといえます。
子どもだけの話でもなく、スマートフォンがこころに与える影響はとても大きいです。例えば近年はスマートフォンと睡眠障害への影響が大きく取り上げられることも増えました。人は「日光を浴びると覚醒し、夜になると眠くなる」という睡眠のリズムが元々備わっています。
よりよい睡眠には、体温や脈拍数、血圧などを低下させ、人を休眠や睡眠に誘う「メラトニン」というホルモンが関係しています。メラトニンは、強い光を浴びると分泌量が減り、反対に暗い所にいると分泌量が増えるため、人は夜になると自然と眠くなるようシステム化されています。
それが現代では、スマホ、パソコン、タブレットなどから発せられる光によって、脳が「昼間だ」と認識し、誤解することによって、身体は錯覚し、メラトニンの分泌量が抑制されてしまいます。特に画面を間近で見るスマホは要注意とされています。この「寝る前スマホ」には若年層に多く、日本でも厚生労働省が注意を呼びかけているほどです。
途上国の子供を守る福祉と、先進国の子供を守る福祉では観点が異なる部分がたくさんありますが、SDGsの本質は”誰1人取り残さない”ことであり、先進国は先進国のSDGsに今後も対応と、工夫と改善を高めていってほしいと思いました。