コンビニ、レジ袋有料化はSDGsと言えるのか
2020年7月1日より、全国のコンビニなどを含めた小売店舗でのレジ袋有料化が実施されました。「実質の増税」とも騒がれたレジ袋有料化ですが、実は法律ではなく経産省の省令として改正されているのです。環境対策を観点から言えば、透明性の高い法律であるべきとの声が相次いでいるレジ袋有料化ですが、実際に環境対策として有効なのでしょうか?
そもそもポリ袋はエコだった
多くのレジ袋にはポリエチレンが使用されています。一般的にこのポリエチレンは環境汚染や海洋汚染を生むと考えられていますが、実は生成から廃棄に至るまでエコロジーな一面を持っています。
ポリエチレンは石油精製時に必然的に発生するものであるため、生産のために新しく作られることはあまりありません。さらに燃焼時は、二酸化炭素、水、熱の3つのみしか発さず、プラスチックごみの燃焼時の問題であるダイオキシンを発生させません。
ポリ袋の環境汚染への影響は少ない
環境問題の代表例の一つとして扱われているポリ袋ですが、実際の廃棄量は非常に少なく、自治体ごみの内、ポリ袋が占めている割合はたった0.4%しかありません。海洋ごみにおいても同様で、全体のわずか0.6%(個数)と非常に少ないことが分かります。
ちなみに海洋ごみの大半はペットボトルなどの容器やブイや魚網といったごみが占めています。その他の海洋ごみも、個数、重量問わずポリ袋の割合を凌駕しています。
小売店にとってレジ袋有料化はSDGsと言えるのか
SDGsの目標「14.海の豊かさを守ろう」や「15.陸の豊かさも守ろう」は、生態系の保護を中心とした目標なのですが、レジ袋有料化はこれらの目標達成に有効な施策とは言い難い部分があります。確かにレジ袋を有料化することにより、マイバックの使用が少なからず増えることは国内で確認されています。しかし、消費者によるポリ袋の購入も同時に増えているため、高い効果を発揮しているとは言い切れません。
時代に合わせたSDGsが求められている
レジ袋有料化によるマイバック使用率の増加は、環境面でのメリットを有するものの、衛生面で大きな問題を抱えています。コロナ禍において、この施策はSDGsの目標「3.すべての人に健康と福祉を」を脅かす可能性が示唆されます。今後、企業はこれらのようなSDGs間で矛盾の生じることのない、ビジネスアイデアが必要とされるのではないでしょうか。