衣料と洗剤の選びかたでSDGsにつながる!?
SDGsの「12.つくる責任 つかう責任」に関わる、モノづくりとモノ選び。
普段、日常でよく使っている「モノ」が何からできていて、どのように影響するのかは「知らない」ことが多いと思います。
そのひとつとして取り上げるのが「衣料」。衣料を購入するとき、どんな素材を選んでいるでしょうか?
素材の表示は確認せずに、デザイン、価格で選ぶ人が多いのではないでしょうか。国内で販売されている服や下着のほとんどは、「アクリル」「ポリエステル」「ナイロン」「ポリウレタン」といった合成繊維が使われています。
合成繊維は環境負荷につながるため、SDGsの「13.気候変更に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」に関わります。合成繊維を着ているだけでマイクロプラスチックをばらまいているといわれています。洗濯すれば、マイクロプラスチックの繊維がはがれて、海に流れ出し、海洋汚染につながります。
合成繊維の服は価格が安い「使い捨てファッション」が多く、大量に生産され、新品の状態で廃棄することも問題になっています。
このような問題に対し、国際環境NGOグリーンピースが「デトックスキャンペーン」としてスポーツ用品メーカーや、手衣料品メーカーに働きかけ、H&M、ザラ、ベネトン、アディダスなど世界的な有名企業が有害化学物質全廃に向けて合意。日本ではユニクロが、2020年1月1日までに事業活動における有害化学物質を全廃することを合意しています。
さらに、合成繊維は環境汚染だけでなく、健康にも影響があるといわれています。私たち人間にとって「衣」が重要ということを示しているといわれるが「衣食住」の言葉。
環境だけでなく身体にとっても「衣」選びは大事
「衣食住」のなかで一番欠かせないので最初の文字に「衣」使っているともいわれます。確かに、赤ちゃんが誕生したらまず、「母乳」ではなく「おくるみ」でくるむことをしています。
また、薬を飲むという意味の「服用」「服薬」という語源は、服が薬のような役目があったからではないかといわれています。
身に着けるもので治療する事例として、時代劇や歌舞伎でみられる、病鉢巻(やまいはちまきが)があります。解熱、解毒の薬効があるという紫草(ムラサキ科ムラサキ属の多年草)の根で染めた布を湿布のように頭にまいて、病状を軽減すると考えられていたそうです。
皮膚から有害性のある化学物質が吸収されることを「経皮毒」といわれますが、シャンプーや化粧品だけでなく、身に着けるものから化学物質を吸収することも容易に想像がつきます。特に、直接身に着ける下着は、素材を気にしたほうがいいかもしれません。
身体にいい、自然の成分で染める、洗う衣服のアイデア
加えて、洗たくする際に使用する合成洗剤が衣服に残って、体に影響を及ぼすこともあります。身に着けるものと洗剤。これを自然素材に替えていくことが環境にも健康にもいいことにつながってきます。
そして、これからの衣服として、自然素材を使用するだけでなく、昔の「病鉢巻」のように、特定の病に対して薬効のある成分を取り入れた衣服も考えられるのではないでしょうか。