小水力発電は環境に優しい!その概要と課題を解説します
小水力発電という再生可能エネルギーをご存知でしょうか。
日本では太陽光発電がこれまでに大量に導入されてきましたが、それ以外にも再生可能エネルギーはあります。
今回はその中でも、水資源が豊富である日本に適した小水力発電について解説します。
概要
まずは小水力発電に関する概要をまとめましょう。
小水力発電の定義
そもそも小水力発電とはどのようなものなのでしょうか。
実は明確な定義というものはなく、出力1,000kW未満の水力発電のことを小水力発電と呼ぶのが一般的な解釈なのです。
この規模であれば大きなダムを作ることはほとんどありません。
河川構造物である堰堤から水を引き、水路を経て発電所まで導水し、その使用水量と落差から得られるエネルギーを用いて発電するのです。
そんな小水力発電には、以下のようなメリット・デメリットがあげられます。
小水力発電のメリット
- 太陽光・風力発電に比べて安定して発電できる。
- 設備によっては100年間稼働を続けており、長期にわたってエネルギーを自給できる。
小水力発電のデメリット
- 導入できる場所が限られる。
- 法制度が複雑なので導入に時間がかかる。
このような小水力発電ですが、うまく活用すれば地域活性化にも役立つことが期待されています。
課題
では、小水力発電にはどのような課題があるのでしょうか。
経済産業省資源エネルギー庁のホームページにて、2019年に全国小水力利用推進協議会の代表理事である上坂博亨さんがインタビューに答えておりました。
上坂さんは、以下の4つの分野における課題を挙げられております。
- 法規制
- 経済性
- 技術力
- 地域の理解
(出典:https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/interview11uesaka02.html)
確かに、川の水は勝手に利用できないのですから、河川法の手続きは複雑にならざるを得ないのかもしれません。
それに小水力発電は取水設備から水路を経て発電所に至るまでを考えれば、地域のインフラ設備とも言えますので、相応の初期投資が必要になるでしょう。
また日本国内には小水力発電用の水車メーカーは少なく、海外製品の輸入に依存しているとなれば、国内におけるノウハウの蓄積も必要ですよね。
そしてこのような小水力発電を河川の近くに導入するとなれば、土地の管理者や漁業権者など様々な地域の関係者との合意が不可欠でしょうから、地域の理解もやはり重要だと言えるでしょう。
以上のことから、小水力発電には決して小さくない課題があると言えます。
まとめ
以上、小水力発電について、概要と課題を中心に取り上げました。
適地があれば、その強みを生かしてくれる小水力発電。
今後ますますの普及を願うばかりです。