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帝国ホテル・38歳料理長が考えるSDGs時代のラグジュアリー観

日本の迎賓館として、初代・渋沢栄一の信念を受け継ぎ開業した帝国ホテル。

国内外のVIPをもてなす名門ホテルがいま、環境配慮型のホテル経営に舵を切り始めています。

なかでも、厨房から帝国ホテルのサステナビリティーを牽引するのが杉本雄氏

フランスで13年間修行を積んだキャリアを持ち、食材全部を余さず使い切るフレンチ手法で環境問題に取り組んでいます。

杉本氏いわく、食の分野は未だ発展途上であるものの、「ラグジュアリーと持続可能性は両立できるもの」。

ここでは、そんな時代の先読み力に長けた若き料理長が取り組む、帝国ホテルのSDGsをご紹介します。

 

①オーダーバイキング方式の導入

日本初のバイキング方式を生み出した「インペリアルバイキング サール」。

“作り立ての美味しさを届ける”という料理の本質をさらに追求すべく、各テーブル毎に設置されたタブレットで注文が入る毎に調理するオーダーバイキング方法を新たに採用。

無駄な廃棄を減らすだけなく、お客様へ出来立ての美味しさを届けられると一石二鳥。

新看板メニューの「アクアパッツァ」には、海洋環境に配慮した養殖ものを一部使用するアイデアも取り入れています。

②オリジナルなサステナブルソルトの商品開発

食材を余すところなく使い切るための試行錯誤の末、辿り着いたのがサステナブルソルトの開発。

調理過程で発生した野菜やフルーツの皮、甲殻類の皮を低温オーブンで焼き、粉末状にして料理に使用するアイデアです。

じゃがいもの皮を使用した根菜ソルト、グレープフルーツを使用した柑橘ソルトはホテル公式サイトより購入可能。

売上の一部は環境保護団体の一般社団 法人JEANへ寄付しています。

 

③従業員食堂の自営化

従来廃棄されてしまっていた端材や、お客様に販売しきれない売れ残り商品をメニューに活用するアイデアを採用

調理スタッフ自らのアイデアを積極採用し、創作したメニューを提供する場づくりなど、従業員のモチベーションアップにも貢献。

利益や原価計算など幅広い視野を持てる人材育成にも取り組んでいます。

さらには、日本のホテルでは初となるレインフォレスト・アライアンス認証コーヒーの取り扱いを開始。これは、生態系や労働環境に配慮した農園である認定で、現在一部のレストランで提供中です。

こうした老舗の重厚感と時代への適応力力こそが、帝国ホテルが5つ星であり続ける所以なのかもしれません。

※参考
https://www.imperialhotel.co.jp/j/company/pdf/sustainability_report2022.pdf
https://news.yahoo.co.jp/articles/f71f75e89fe0998cab02ac28218d54c4ddace7bf?page=1

※画像出典
https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/hotelshop/special/sustainable_salt.html
https://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/sal/point.html

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Kazuki

米国・ニューヨーク州在住の環境ライター/3児の母。好きなコトバは「人生は美しい。人生は甘美だ」(ブッダ)。知るために、書く。書いて、つながる。がモットーです。

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