紙素材にカプセルレス。SDGs時代のトイカプセルとは?
ショッピングモールやテナントの空きスペースで一際存在感を放つ「カプセルトイ」。
最近では1回2,500円もする高級路線も登場し、大人世代のファンやマニアも増加していますね。
カプセルトイ市場は、パンデミックの巣篭もり需要も追い風となり、第4次ブーム到来の現在は450億円の市場規模とも言われます。
今後さらに成長が期待される分野ですが、見慣れたプラスチックの球体にも“脱プラ化”の波が押し寄せています。
今回は、廃棄プラスチック問題に挑むおもちゃ業界の最前線を紹介します。
(1)おもちゃが商品の一部に!カプセルレス商品「カプキャラ」
ガチャガチャと言えば、中身のおもちゃを保護するために球体プラスチックに格納された形がごくポピュラー。
しかし、役目を終えたカプセルはプラごみやリサイクル回収され、「もったいない」と感じる経験をした人も少なくないはず。
そこで、バンダイが開発したのがカプセルの形状や仕組みを活かしたカプセルレスのカプキャラ。
カプセルそのものをフィギュアの顔や身体にパーツに組み込んでしまう画期的なアイデアです。
本来捨てられるはずのカプセルを極力減らし、ボリューム感と個性あふれる商品に昇華させた開発者魂が素晴らしいですよね。
カプセルを手にした時のワクワク感はそのままに、無駄をなくす発想が盛り込まれています。
(2) 紙の含有率51%の新型カプセル「マプカプセル」
今年6月頃にバンダイが採用し始めたのが「MAPKA」という新素材。
原材料の約51%にパウダー状に粉砕した紙を使用することで、トイカプセルの脱プラ化を促進。
生産から焼却過程で発生する温室効果ガスの30%近くを削減できる上、プラスチックではなく「非プラスチック」扱いできるので燃えるごみとして処分できます。
ガチャポン史上初の試みは難航したものの、素材に合う強度を保持した上下分離型のデザインの採用や、穴の大きさを微調整することで中身を見やすくすることで問題解決につなげたと言います。
今年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法」をきっかけに、プラ素材が主流の玩具業界にも環境配慮型のリニューアブル素材の開発やごみそのものを排出しないアイデアが大切になっています。
おもちゃと言う身近な存在を通じて、家族や友人と脱プラの大切さを見つめ直してはいかがでしょう。
※参考・画像出典
https://www.bandai.co.jp/csrkids/ecomedal/pkg04.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000038376.html