水道民営化がやばい!?老朽化した水道設備に対してすべきこと
水は人間が生活する上で必要不可欠な資源です。
日本では、ほぼ全ての家庭で蛇口をひねれば水が出てきますよね。
ですがこれほどにも身近な水が、実は自由に利用できなくなる未来があり得ることをご存知でしょうか。
その要因となり得るのが、水道の老朽化問題ならびに水道民営化なのです。
そこで本稿では、以下の章立てで上記の問題を解説しましょう。
- 老朽化する日本の水道設備
- 水道民営化の問題点
- 日本がすべきこと
現状と課題に触れながら、日本がすべきことは水道民営化ではなく設備の規模縮小であることを、詳しくお伝えしますね。
老朽化する日本の水道設備
厚生労働省によれば、水道設備の中でもとりわけ水道管路の更新が進んでおらず、老朽化が進行していることを公表しております。
というのも日本の水道は、高度経済成長期に急激に整備されており、その更新時期に投資が追いついていないのです。
水道の法定耐用年数は40年。
法定耐用年数なので、多少は過ぎても運用できるとしても、さすがに更新すべき時期に今はあると言えるでしょう。
しかしながら、人口減少に伴い水道事業の収益も減少しているので、水道事業への投資額が十分に確保できていません。
このまま設備の更新が進まなければ、老朽化はますます進むであろうことは火を見るよりも明らかですよね。
水道民営化の問題点
そのような状況の中で対策として考えられたのが、水道民営化です。
水道事業の運営を民間が行なうことにより、事業の効率化を図り収益性が高まることが期待されました。
とはいえ実際に水道民営化を行ったフランスなどのように、民営化が成功せず公営化に戻った事例も多く存在します。
それだけでなく、水道民営化は以下の危険性を孕んでいます。
- 利益重視ならびに責任の所在が不明瞭な運営により、水の安全性が低下する可能性がある。
- 外資企業の参入により日本の水資源の主導権を海外企業に委ねかねない。
水資源は極めて重要なものなので、極力民営化に頼らず安定的に供給できる体制を築きたいですよね。
日本がすべきこと
水道民営化は多くの問題を内包しています。
では、日本は水道設備に課題に対してどのようなことをすべきなのでしょうか。
それは、将来の日本を見据えて適切な規模の設備を目指すことだと考えられます。
具体的には、人口減少を見据えて設備のダウンサイジング(規模縮小)を行なうべきなのです。
水道設備は元々、人口が将来増えることを見込んで整備されました。
ゆえに設備の更新費用は、実際の人口を考慮すると過剰であることがわかりますよね。
だからこそ、人口が減少するであろう将来を見据えて水道設備を適切な規模にすべきなのです。
水ジャーナリストの橋本さんは、岩手県におけるダウンサイジングに成功した事例を挙げております。
北上市、花巻市、紫波町の3自治体が統合したことにより、その後の4年間で浄水施設を34から21に減らせたとのこと。
このようにダウンサイジングの事例はすでに存在するので、他の地域でも積極的に検討することが重要と考えられますね。
まとめ
日本の水道の老朽化をはじめ、その対策として考案された水道民営化がいかに問題なのか、そして本当にすべきことについて解説しました。
水道設備を維持していくことは、すべての人に安全な水のみならず健康や福祉を届けるためにも必要なことです。
政府の判断だけで進めるのではなく、国民を交えた問題解決への取り組みが求められています。
備考:
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000203990.pdf
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000476640.pdf
https://www.sarastear.com/blog/b30103/#:~:text=%E6%B0%B4%E9%81%93%E6%B0%91%E5%96%B6%E5%8C%96%E3%81%A7%E5%95%8F%E9%A1%8C%E8%A6%96%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8&text=%E6%B0%91%E9%96%93%E4%BC%81%E6%A5%AD%E3%81%8C%E9%81%8B%E5%96%B6%E3%81%99%E3%82%8B,%E3%81%8C%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
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