SDGs目標6「安心な水とトイレを世界中に」|実は女性と深い関係があった!?
『蛇口をひねると飲める水がでてくる』これって当たり前のことではありませんでした。
水道普及率が98%超の日本に住んでいると、「安心して水が飲めない」「トイレがない」という状況が、どうしてもどこか遠い場所で起こっていることのように感じてしまいます。
しかしユニセフによれば、世界人口の40%超の人が水不足の影響を受けています。
糞便によって汚染された飲料水源を利用する人々は、約18憶人。
トイレや公衆便所など、基本的な衛生施設を利用できない人々は、約 24 億人。
(ユニセフ『安全な水とトイレの 普及はなぜ大切か』)
そんな状況に切り込んでいる目標6は、ターゲットの1つに以下のものを挙げています。
「6.2 2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、野外での排泄をなくす。女性及び女児、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う」
水やトイレの確保はどのような人にも欠かせないように思いますが、なぜ特に「女性及び女児」に注目しているのか、その理由を調べてみました。
水汲みは女性の仕事
世界的にみると、家庭の中で水汲みの仕事を担うのは女性(そして結果的にその子ども)であることが多く、特にアフリカ諸国では、女性が飲料水を確保する割合は男性の5倍でした。しかしながら、国連のマラウィでの調査では、男性が6分で完了できる水汲みの作業を、女性は平均45分と7倍以上の時間をかけていることが分かりました。
女性が一人で抱えることのできるバケツの量も限られたものであり、1日に何度も水源を往復しなければなりません。
トイレがない危険性
トイレ設備が整っていないために、難民キャンプなどからトイレのある場所まで明かりがない中歩かなければならなかったり、プライバシーが守られていなかったりするなどの理由で、女性が暴力にあう危険もあります。
教育を受けられない女生徒
エチオピアでは、13歳のアイシャのような少女が、学校に行く時間を削って毎日往復8時間かけて水汲みする事例もあります(ユニセフ エチオピア『Searching for Water in Ethiopia: A Day in the Life』)。
また女の子たちの中には、生理の対処の仕方が分からず、生理中は学校に通わなくなることもあります。トイレがないことが、より生理中の通学へのハードルを上げています。
目標6のタイトルだけ見ると、水とトイレの確保という、日本人としては無縁な出来事のように感じてしまいますが、実はジェンダー問題にも通じていることが分かりました。
SDGsはそれぞれにターゲットとする社会課題を掲げていますが、それぞれが単独で存在しているわけではなく、互いに密接に関係しています。だからこそ包括的に取り組んでいくことが大切なのですね。