ファストファッションが大きく変わる!変革期。
こんにちは。SDGsを経済的な観点から捉えていて記事をUPしているeSです。
環境汚染業界と呼ばれるようになったアパレル産業。
いよいよ購入したあとの”モノ持ち”に対してメスが入りそうです。カスタマーが購入した服や靴が破れたり、靴底がすり減ったりした際に、どれだけ簡単に直すことができるのか、修復することができるのかを指数化し、商品タグに記載することが検討されています。これは「デジタル製品パスポート=DPP」にも対応するものです。
DPPは、原料の材料の産地や加工場所、といった素材に対してのものから、その衣料を作っている労働者の労働環境や奴隷制度ではないかどうかなどの生産過程。
そして創られるまでの地球への影響、ライフサイクル全体の温暖化ガス排出量、そして最後に捨てられたあとにどれだけリサイクルができるのかどうかといった、再生原料の利用率など…その衣料がつくられ捨てられるまでの全ての情報をデータにして管理され、開示させます。
「ZARA(ザラ)」を手がけるスペインのインディテックスやユニクロを展開しているファストリテイリングなど、アパレル産業最大手には2年後からこの規制が適用される予定です。
もちろんそれだけでなく、全てのアパレル産業に浸透し、常識化になる予定です。中小事業者は6年間の移行期間が設けられると今のところは発表があります。何よりも本格的だと感じることは、違反した場合の罰則規定について加盟各国がしっかりと決めることになるという点です。
2000年代からファストファッションが当たり前のように浸透し、安いことをメーカーも消費者も競うような時代背景の中、流行やブームがあまりにも明確なアパレル産業としても、移り変わりに対して敏感に反応し、ブームを生み出す中で大量の廃棄が生じています。
EUの試算によると、毎年廃棄される服は1人あたり平均で12キログラムで、全体では1260万トンに上るそうです。その中で再利用やリサイクルに回すのは22%という微妙な数字。再利用するにもコストがかかるので、消費者が使いまわした服をお店などで回収したとしても、大半は裁断・焼却されゴミとして処分されているのが現状です。
マッキンゼーの調査では、衣料品関連の温暖化ガス排出は約21億トンで世界全体の4%を占めます。
気候変動の要因としては4番目に大きな項目です。アパレルメーカーだけの取り組みだけで終わることなく、私たち消費者も賢いカスタマーとなり、衣料品に対しての常識的な考え方を大きく変える時かもしれません。ミニマリストの次のうねりを生み出す必要がありそうです。