fromシリコンバレー⁈ 食に革命を起こすビジネスチャンスとは⁈
みなさんこんにちは。
SDGsを経済の観点から捉えた記事を主にUPしています。eSです。
この2.3年で、食の消費に大きな変化.変革がアメリカを中心に起きています。日本には到底理解不可能な食の変革だと言われていますが、その変革というのが、“肉を食べない若者”が急増しているという点です。
若者が肉を食べないのは、美味しくないから、太るから、肌が荒れるから、健康に良くないから…という理由ではなく、肉を食べることが地球にやさしくないと考えているから。です。
2020年にはアメリカの顔にも選ばれ、ノーベル平和賞にもノミネートされた社会起業家のグレタさんが若者に支持されていれことにも通底すると思いますが、環境に配慮してライフスタイルや食の選択をする若者の増加は、米国だけでなく日本以外の多くの先進国で見られます。
「食」をめぐる変化が世界で起きている中で、こうしたマーケットの変化を”チャンス”と見て、スタートアップが殺到しています。象徴的なことが、ラスベガスで開催される世界最大規模のエレクトロニクス技術の見本市「CES」でありました。
世界最大の見本市と言われている「CES」聞いたことがある方も多いと思います。もともとCESとはConsumer Electronic Show という名前でしたが、今は頭文字をとったCESが正式名称となっており、「シー・イー・エス」と読みます。第1回の開催は1967年で、50年以上続く世界最大の”テクノロジー展示会”です。
テクノロジーの展示会と、世界の食の変革がどう関係あるのか…ということですが、そもそも世界では【フードテック】と呼ばれています。
食×テクノロジーという意味です。
テクノロジーといえばアメリカサンフランシスコのベイエリアにあるシリコンバレーは、多くの有名なコンピューター関連企業が集まるエリアとして有名です。
世界的にも名の知られているスタンフォード大学や、グーグルやアップル、フェイスブックなどの有名企業が構えるのもシリコンバレーなので世界的にもとても珍しい場所でもあります。
そんなシリコンバレーで食が注目された契機の1つが2011年にマイクロソフトの元CTOのネイサン・ミアボルトが書いた『モダニスト・キュイジーヌ』
この本が、シリコンバレーのフードテックに果たした役割はものすごく大きいと言われています。この本は料理を科学した本であり、例えば肉はなぜ焦げるのか、グリルの中で熱がどう伝わり肉の形状はどのように変化しているかなど、断面図を撮影して1つ1つの調理法を分析しました。それは、まさに「料理はサイエンスだったんだ」とプログラマーたちが食の分野に対して目を輝かせて、注目するようになったきっかけでもありました。
前述しましたCESは今流行しているものを展示するのではなく、これからのビジネスの方向性を示す場です。2019年のBest of CESを獲得したのは、大豆を使った植物由来の肉を手掛けるフードテックベンチャー、Impossible Foodsでした。
Beyond MeatとImpossible Foods。この2社が開発し製造する植物性の代替肉が、米国飲食店の食肉事情をじわじわと変え始めています。ケンタッキーフライドチキン、バーガーキングといった大手チェーンが導入するだけでなく、中小規模の飲食チェーンや個人経営のレストランでも、2社製の代替肉を使用するケースが増えてきた。
“おいしい”ということが大前提なのですが、このおいしさに辿り着くのが”料理のスキル”ではなく、”科学”だったというから面白いと思いました。
Impossibleの最初の発見の一つは、【ヘムという分子が動物を食べる時の味を決定付けている】ということで、動物の死体から作られた肉もImpossibleの植物から作られた肉も、ヘムが豊富に含まれているからこそ美味しく食べられるのだそうです。分子構造を理解し、それを科学の力で代替えしていく。
地球を変えていくのは、テクノロジーの力。電気で走る車を作るのか、それとも大豆を使った植物由来の代替え肉を作るのか…つくるものは違えど科学が生み出す明るい未来が待ち遠しいです。