SDGs特選コラムNo. 656

シャレン!を通してJリーグが描く、スポーツと社会の連携

Jリーグはプロサッカーリーグの運営だけでなく、「シャレン!」と題した社会連携活動に取り組んでいます。シャレン!は様々なテーマに対して地域の個人や団体と連携し、地域社会における持続可能性の確保や関係性の構築などを目指しています。では具体的にシャレン!とは、どのようなものなのでしょうか。Jリーグと所属クラブチームが自分達のリソースを最大限に活かして、シャレン!を通じて地域と共にどのような未来を創り上げていくのか、そのビジョンに迫ります。

 ※参照資料:Jリーグ公式HP
  https://www.jleague.jp/sharen/

「シャレン!」とは?~Jリーグが推進する社会連携活動~

 多様性を認めるダイバーシティや交流人口の増加といった地域社会の課題や共通テーマに対して、シャレン!は地元住民や企業、自治体などと一緒に取り組む活動です。この活動を通じて地域の持続可能性や関係性の強化、学びの獲得、各関係者(ステークホルダー)との価値の再発見などを目指しています。

 「ホームタウン活動の推進」が定められている規約に沿って、Jリーグはシャレン!に取り組んでいます。ただしシャレン!は、単にJリーグが中心となって行う活動ではなく、Jリーグとその他の団体との共通目標に向かって協働していくものです。

 2018年から始まったシャレン!は「Jリーグをつかおう!」と発信し、Jリーグのインフラやノウハウを提供しながら、多様なステークホルダーとの連携を深めようとしています。この取り組みは、サッカーの多様な価値を通じて社会貢献をしたい、Jリーグの思いを表しています。

 ※参考資料:令和元年度スポーツ・健康まちづくりの検討に関する関係省庁会合説明資料
 「Jリーグ社会連携の挑戦について」
  https://www.chisou.go.jp/sousei/meeting/sports_machidukuri/r01-07-16-shiryou3.pdf

 ※参考資料:堺市HP ダイバーシティとは
  https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/jinken/jinken/71393420221017125115901.html

 ※参考資料:国立環境研究所HP ステークホルダー
  https://www.cger.nies.go.jp/cgernews/201310/275003.html

まちづくりから献血まで~シャレン!の取組事例~

 シャレン!は、地域との協働を基盤に、多岐にわたる取組を実施しています。

 さいたま市浦和区役所と浦和レッズは、区制施行20周年を記念した階段アートを制作しました。この取組は「サッカーのまち浦和」をPRする目的もあります。パネルの貼り付けは浦和レッズと浦和レッズレディースの選手、区職員が協働して行いました。

 一方で、若年層の献血者数減少に対処するため、明治安田生命と日本赤十字社はJリーグと協働して「シャレン!で献血」と題した啓発活動を実施。この活動は若い世代も多いJリーグのファンやサポーターに向けて、スタジアムでの献血バスの誘致や、献血者へのオリジナルグッズを配布しています。

 紹介した事例のように所属選手が参加したり、スタジアムといったインフラや機会の提供など様々な形で、Jリーグは自ら持つ力を提供して社会貢献活動を地域と協働で取り組んでいます。

 ※参考資料:さいたま市浦和区役所公式X(旧Twitter)
  https://twitter.com/UrawaSCPR/status/1646007103952412672

 ※参考資料:さいたま市HP
  https://www.city.saitama.jp/006/014/008/003/012/001/p096745.html

 ※参考資料:厚生労働省HP 年代別献血者数と献血量の推移
  https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000063233.html

 ※参考資料:三菱グループHP シャレン!で献血
  https://www.mitsubishi.com/ja/profile/csr/mpac/monthly/topics/2023/05/2.html

 ※参考資料:日本赤十字社 山形県赤十字血液センター
  https://www.bs.jrc.or.jp/th/yamagata/2023/08/post-193.html

 地域とともに成長し、今や地域を活性化できる存在になりつつあるJリーグ。

 実施されたシャレン!をSDGsに当てはめると、 「全ての人に健康と福祉を」 をゴールとした活動が約3割を占め、 「質の高い教育をみんなに」 「住み続けられる街づくりを」が 約2割と続きます。

 今後Jリーグはシャレン!を担当する社会連携部を「サステナビリティ部」として改称し、これまでの活動に加えて、環境問題に対する取り組みを強化。「サステナブルアクション」の取り組みを開始し、SDGsの目標に合致した活動をより戦略的に展開していく方針です。

 これらの活動を通じて、Jリーグは地域との緊密な連携を維持しつつ、持続可能な成長をこれからも追求していきます。

 ※参考資料:令和3年度経済産業省スポーツ未来開拓会議資料「Jリーグの成長戦略について」
  https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sports_future/pdf/002_05_00.pdf

 ※参考資料:JリーグHP seasonreview2022
  https://aboutj.jleague.jp/seasonreview2022/assets/pdf/ALL.pdf

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