マイピックアップNo. 344

脱プラは紙製品への置き換えで正解?メリット・デメリットを考えてみた

今、企業などで脱プラの動きが進んでいます。 

製菓会社がお菓子のパッケージ素材を紙に変えたり、カフェチェーン店やファーストフード店が紙ストローを導入するなど、日常生活のいたるところで脱プラの動きを目にしますよね。 

そこで、本当にプラスチックの環境破壊問題は紙製品に置き換えることで解決するのか調べてみました。すると様々なメリット・デメリットがあり、本当に大切なことが見えてきました。  

なぜ、プラスチック製品はよくないのか 

まず、プラスチックは耐久性があり、安価で大量生産できるとても便利な素材です。 

そのため生産量と使用量が増え、プラスチックごみが適切に処理されず環境に流出してしまうという問題が起きています。 

中でも海洋プラスチックごみの問題は深刻で、海洋ごみでプラスチックごみが占める割合は65.8%にも及びます。世界の海には計1.5億トンのプラスチックごみがあり、毎年約800万トンものごみが新たに流出していると言われています。 

自然界で分解されるには長い年月が必要なプラスチックが海に流出することで、生態系に様々な悪影響が出ています(【参考】環境省:海洋プラスチック問題について)。 

日本は全世界でプラスチック生産量・使用量ともに上位に入るため、この問題に対して責任を持ち対策を練らなければなりません。  

紙製品のメリット 

プラスチックごみの問題をお伝えしましたが、それではなぜ代替として紙製品への移行が進んでいるのでしょうか。紙製品のメリットを調べてみました。  

原材料の違い 

プラスチックは基本的に枯渇資源である石油から作られていますが、紙の原材料は植樹や適切な森林管理のもと再生可能な資源である木です。原材料が持続可能な資源であることから、よりサステイナブルな素材として紙が採用されています。  

生分解性がある 

プラスチックが分解されるには長い年月を要し、長い時間有害物質が付着しやすいマイクロプラスチックとなって海を漂うことになります。それに比べ紙は自然由来の素材でできているので、自然のもと分解されます。 

ごみが意図せず環境に流出してしまう可能性を考えると、紙が採用されるのも納得ですね。  

カーボンニュートラル 

プラスチックは石油からできているので焼却時にCO2を増やしてしまいますが、紙は木からできているので、焼却時に排出されるCO2は木材の成長過程で吸収されたCO2とみなされ、CO2の増加にはつながりません。  

リサイクル率が高い 

日本の古紙回収率は約80%、古紙利用率は66%と比較的高いです。 

プラスチックのリサイクル率も84%と高水準を謳っていますが、これにはカラクリがあります(【参考】 世界基準からズレた日本の「プラごみリサイクル率84%」の実態)。 

プラスチックはリサイクルすると品質が劣化していくので、なかなかリサイクルが進まないそうです。  

紙製品のデメリット 

とはいえ、紙製品にすればすべて解決というわけにはいきません。デメリットも調べてみました。  

紙製品は生産に多くの資源を使う 

例えば、紙袋を作るには、レジ袋を作るときより必要なエネルギーが10%多く、4倍の水を使うそうです。重くてかさばるので、輸送にもより多くのCO2を排出することになります。 

また、消費する資源が多い分コストがかさみ、プラスチック製品より高価になります。  

森林破壊につながるのでは? 

森林を適切に管理せず伐採し、そこからできた紙を大量消費すると、供給が追いつかず森林破壊につながります。 

大切なこと 

■森林認証を受けた製品を選ぶ 

森林は活用せず放置しすぎると、二酸化炭素の吸収率が下がったり、管理不足で土砂崩れが起こったりします。伐採による森林破壊を恐れて放置しておくのもよくないんですね。 

森林認証制度とは、適正に管理されていると認証を受けた森林から取れる木材を、生産から流通、加工の全工程に認証ラベルを付けることで、持続可能な森林の活用を図る制度です。 

私たちが認証を受けた製品を積極的に選ぶことで、間接的に森林を守ることにつながるのですね。 

 使い捨てを減らす 

調べてみて一番大切だと思ったことは、やはりリデュースではないでしょうか。 

プラスチックにしても紙にしても、環境に影響を及ぼすことは避けられない。ひとりひとり、少しでも使う量を減らせるよう努力することが大切だと思いました。 

コロナ禍で少し下火になってしまったかもしれませんが、エコバック・マイボトル・マイストローなど、リデュースにつながる取り組みも積極的に取り入れていきたいと改めて思いました。  

【参考】 

https://www.orikane.co.jp/orikanelab/6422/ 

https://at-living.press/sustainable/28707/ 

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