ヴィーガンコスメとは?知らないと損する美容の新常識、日本・海外の注目ブランドは?

2025年、化粧品市場で年平均6.85%成長中の「ヴィーガンコスメ」が注目される理由
「最近肌の調子が良くない」「環境に優しい化粧品を使いたい」そんな悩みを抱える20〜30代の女性が今、ヴィーガンコスメに注目しています。世界のヴィーガン化粧品市場は2024年に192億ドル規模に達し、2032年までに325億ドルに成長すると予測されています。日本でも自然派・オーガニック化粧品市場が年々拡大し、2024年度には1,867億円規模に達する見込みです。
なぜこれほど多くの人がヴィーガンコスメを選ぶのでしょうか?その理由と魅力を徹底解説します。
ヴィーガンコスメとは?基本を押さえよう

定義と特徴
ヴィーガンコスメとは、動物由来の成分を一切使用せず、動物実験も行わない化粧品のことです。具体的には以下の2つの条件を満たします。
1. 動物由来成分の完全不使用 一般的な化粧品に含まれる動物由来成分として、コラーゲン(牛や豚のタンパク質)、スクワラン(サメの肝油)、プラセンタ(動物の胎盤)、ケラチン(動物の角や毛)、エラスチン(動物の筋肉や靭帯)、はちみつ、ミツロウなどがあります。ヴィーガンコスメはこれらを一切使わず、植物性成分や合成成分のみで製造されます。
2. 動物実験の完全廃止(クルエルティフリー) 製品開発から製造過程において、動物実験を一切行わないことも重要な条件です。多くのヴィーガンコスメブランドは、The Vegan SocietyやPeTAなどの第三者機関によるヴィーガン認証を取得しています。
オーガニックコスメとの違い
よく混同されがちですが、ヴィーガンコスメとオーガニックコスメには明確な違いがあります。
オーガニックコスメは、農薬や化学肥料を使わずに育てられた植物由来成分を配合した化粧品のこと。ただし、動物由来成分(はちみつや動物性コラーゲンなど)が含まれている場合もあります。
ヴィーガンコスメは、動物由来成分の不使用が絶対条件で、必ずしもオーガニック成分である必要はありません。つまり、使用できる成分の基準が異なるのです。
ヴィーガンコスメのメリット

1. 肌へのやさしさ
植物由来成分が中心のため、化学的な刺激が少なく、敏感肌の人にも適している傾向があります。動物実験を行わない分、各製造工程で安全性を慎重に判定しているケースが多いのも特徴です。
2. 環境への配慮
畜産業は広大な土地、大量の水、温室効果ガスの排出を伴います。ヴィーガンコスメは植物由来成分を使用することで環境負荷を軽減。さらに、多くのブランドがリサイクル素材の容器やパッケージレスなど、環境に配慮した工夫を施しています。
3. エシカル(倫理的)な選択
動物を犠牲にしない製品を選ぶことで、動物福祉に貢献できます。消費者として倫理的な選択をすることが、社会全体の意識向上につながります。
ヴィーガンコスメのデメリット
1. 価格が高め
一般的な化粧品に比べて割高な傾向があり、プチプラブランドが少ないのが現状です。海外製品を輸入する場合も、輸送費がかさみ総額が高くなることがあります。
2. 植物アレルギーのリスク
植物由来成分を多用しているため、植物アレルギーを持つ人は注意が必要です。珍しい植物成分が含まれる場合もあり、初めて使用する際はパッチテストをおすすめします。
3. 認証基準の曖昧さ
日本ではヴィーガンコスメの明確な統一基準がなく、ブランドによって定義が異なることも。購入時は認証マークの有無や成分表示をしっかり確認しましょう。
日本におけるヴィーガンコスメの注目度
市場成長の背景
日本の自然派・オーガニック化粧品市場は2024年度に1,867億円規模となり、前年度比104.9%の成長を記録しています。サステナビリティやウェルビーイングへの関心が高まり、特にミレニアル世代とZ世代を中心にヴィーガンコスメへの支持が拡大しています。
クリーンビューティーへの移行や、倫理的消費への意識向上が市場成長を後押ししているのです。
体験型小売の台頭
2024年には日本のヴィーガン化粧品ブランドAINOKIが伊勢丹新宿店でポップアップイベントを開催するなど、消費者が製品に触れ、ブランド理念と結びつける没入型体験が重視されています。
海外でのヴィーガンコスメ動向
グローバル市場の急成長
世界のヴィーガン化粧品市場は2024年に192億ドルと評価され、2032年までに325億ドルに達すると予測されています。年平均成長率は約6.85%で、持続可能性を重視する消費者層の拡大が成長の原動力となっています。
有名人の参入
2021年にはハリー・スタイルズがヴィーガンビューティーブランド「Pleasing」を発表し、2022年にはステラ・マッカートニーがLVMHとのコラボでヴィーガンスキンケアラインを立ち上げるなど、セレブリティの参入が市場の注目度をさらに高めています。
EU諸国の先進的な取り組み
EU諸国では動物実験が法律で禁止されており、全てのコスメがクルエルティフリー。The Vegan Society(イギリス)など世界的な認証機関の存在が、ヴィーガンコスメの信頼性を担保しています。
人気のヴィーガンコスメブランドをピックアップ
【海外ブランド】
1. e.l.f Cosmetics(エルフ コスメティクス)/アメリカ プチプラで全商品がヴィーガン対応。PeTA認証取得で、高品質ながら手頃な価格が魅力です。
2. MILK MAKEUP(ミルク メイクアップ)/アメリカ スタイリッシュなパッケージと高発色が人気。海外メディアで頻繁に紹介される注目ブランドです。
3. DYP COSMETHIC(ディーワイピー コスメティック)/フランス 木製または竹製ケースのリフィルシステムで環境配慮。COSMOS ORGANIC認証とヴィーガン認証を取得しています。
4. DEAR DAHLIA(ディア ダリア)/韓国 天然エッセンシャルオイルで香り付けされ、パラベンや界面活性剤不使用。美しい発色で人気です。
5. AMUSE(アミューズ)/韓国 IVEのウォニョンがイメージモデル。ポップでキュートなパッケージが10〜20代に人気です。
【国内ブランド】
1. AINOKI mebuki(アイノキ メブキ) https://ainoki.net/ 日本発ヴィーガンコスメブランド。天然成分にこだわり、自然の心地よさを追求しています。
2. MRDULA(マルデューラ)https://mrdula.com/ インド・スリランカ発祥のアーユルヴェーダに基づいたスキンケアブランド。ベジプロジェクトジャパンのヴィーガン認証取得。
3. SAIRAI https://www.sairai-cosme.com/
独自の精製法により、肌荒れリスクを極力なくした天然由来成分100%のヴィーガンコスメ。
4. naturaglacé(ナチュラルグラッセ)https://www.naturesway.jp/naturaglace/ 植物由来成分にこだわった国産ブランド。肌に優しく、ナチュラルメイク派に支持されています。
5. susuro(ススロ)日本発のヴィーガンコスメブランド。売上金の一部を動物の保護活動者に寄付。マスカラとアイライナーの2アイテムで展開し、バイオマス容器を使用している。


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おすすめポイント:ヴィーガンコスメの選び方
1. 認証マークをチェック
The Vegan Society(イギリス)、NPO法人ベジプロジェクトジャパン(日本)、PeTA(アメリカ)などの認証マークがあれば、信頼性が高いと判断できます。

▲vegansocietyロゴ
2. ブランドの理念を確認
公式ウェブサイトで、ブランドがどのような姿勢で製品を作っているかを確認しましょう。製造工程や環境への取り組みが明記されているブランドは信頼できます。
3. 成分表示をしっかり読む
動物由来成分が含まれていないか、自分のアレルギー成分が入っていないか、使用前に必ず確認することが大切です。
4. パッチテストを実施
初めて使用する製品は、必ず腕の内側などでパッチテストを行い、肌に合うかを確認しましょう。
まとめ:ヴィーガンコスメで美しく、エシカルに
ヴィーガンコスメは、肌にやさしく、環境に配慮し、動物福祉にも貢献する、まさに現代の美容トレンドです。2025年、世界的に成長を続けるヴィーガンコスメ市場において、日本でも選択肢が広がり続けています。
価格や植物アレルギーといったデメリットもありますが、自分の価値観やライフスタイルに合った製品を選ぶことで、美しさと倫理的な消費を両立できます。
まずは気になるブランドのトライアルセットや単品から始めて、ヴィーガンコスメの魅力を実感してみてはいかがでしょうか。
参照
- NPO法人ベジプロジェクトジャパン:https://vegeproject.org/
- The Vegan Society(イギリス):https://www.vegansociety.com/
- 矢野経済研究所「自然派・オーガニック化粧品市場に関する調査(2024年)」:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3665













