脱プラは紙製品への置き換えで正解?メリットと課題を解説
今、企業などで脱プラの動きが進んでいます。
製菓会社がお菓子のパッケージ素材を紙に変えたり、カフェチェーン店やファーストフード店が紙ストローを導入するなど、日常生活のいたるところで脱プラの動きを目にしますよね。
そこで、本当にプラスチックの環境破壊問題は紙製品に置き換えることで解決するのか調べてみました。すると様々なメリット・デメリットがあり、本当に大切なことが見えてきました。
脱プラが求められる理由
まず、プラスチックは耐久性があり、安価で大量生産できるとても便利な素材です。
そのため生産量と使用量が増え、プラスチックごみが適切に処理されず環境に流出してしまうという問題が起きています。
中でも海洋プラスチックごみ問題は深刻さを増しており、世界の海にはすでに1億5,000万トン以上のプラスチックごみが存在し、現在も年間約800万トン規模で新たに流出し続けていると推計されています。自然界で分解されるには長い年月が必要なプラスチックが海に流出することで、生態系に様々な悪影響が出ています(【参考】環境省:海洋ごみ・海洋プラスチックごみ対策ポータルサイト)。
日本は全世界でプラスチック生産量・使用量ともに上位に入るため、この問題に対して責任を持ち対策を練らなければなりません。
脱プラにおける紙製品の利点
プラスチックごみの問題をお伝えしましたが、それではなぜ代替として紙製品への移行が進んでいるのでしょうか。紙製品のメリットを調べてみました。
再生可能な資源
プラスチックは基本的に枯渇資源である石油から作られていますが、紙の原材料は植樹や適切な森林管理のもと再生可能な資源である木です。原材料が持続可能な資源であることから、よりサステナブルな素材として紙が採用されています。
優れた生分解性
プラスチックが分解されるには長い年月を要し、長い時間有害物質が付着しやすいマイクロプラスチックとなって海を漂うことになります。それに比べ紙は自然由来の素材でできているので、自然のもと分解されます。ごみが意図せず環境に流出してしまう可能性を考えると、紙が採用されるのも納得ですね。
カーボンニュートラル効果
プラスチックは石油からできているので焼却時にCO2を増やしてしまいますが、紙は木からできているので、焼却時に排出されるCO2は木材の成長過程で吸収されたCO2とみなされ、CO2の増加にはつながりません。
高い古紙リサイクル率
日本のプラスチック有効利用率は約87%(※プラスチック循環利用協会の最新データ)と一見高い水準ですが、その大半は焼却して熱エネルギーとして回収する「サーマルリサイクル(熱回収)」が占めています。欧米などの国際基準ではこれらをリサイクルに含めない場合も多く、単純な素材の再利用(マテリアルリサイクル)としては課題が残されています(【参考】Forbes JAPAN:日本のプラごみリサイクル率の実態について)。
プラスチックはリサイクル(マテリアルリサイクル)を繰り返すと品質が劣化するため、水平リサイクル(同じ製品への再生)が進みにくいという側面もあります。
脱プラに紙製品を使う課題
とはいえ、紙製品にすればすべて解決というわけにはいきません。デメリットも調べてみました。
製造過程の資源消費
例えば、紙袋を作るには、レジ袋を作るときより必要なエネルギーが10%多く、4倍の水を使うそうです。重くてかさばるので、輸送にもより多くのCO2を排出することになります。
また、消費する資源が多い分コストがかさみ、プラスチック製品より高価になります。
過度な伐採による森林破壊
森林を適切に管理せず伐採し、そこからできた紙を大量消費すると、供給が追いつかず森林破壊につながります。
脱プラ推進で重要な視点
FSC認証製品
森林は活用せず放置しすぎると、二酸化炭素の吸収率が下がったり、管理不足で土砂崩れが起こったりします。伐採による森林破壊を恐れて放置しておくのもよくないんですね。
森林認証制度とは、適正に管理されていると認証を受けた森林から取れる木材を、生産から流通、加工の全工程に認証ラベルを付けることで、持続可能な森林の活用を図る制度です。
私たちが認証を受けた製品を積極的に選ぶことで、間接的に森林を守ることにつながるのですね。
リデュースの実践
調べてみて一番大切だと思ったことは、やはりリデュースではないでしょうか。
プラスチックにしても紙にしても、環境に影響を及ぼすことは避けられない。ひとりひとり、少しでも使う量を減らせるよう努力することが大切だと思いました。
エコバッグやマイボトル、マイストローなど、ごみそのものを減らす「リデュース」につながる取り組みを、日常生活の中で積極的に取り入れていきたいと改めて感じます。
脱プラに関するQ&A
Q1:紙ストローや紙容器がふやけて使いにくい場合、他にどのような選択肢がありますか?
A:繰り返し使えるステンレスや竹、ガラス素材のマイストロー・マイ容器のほか、水に強く耐久性のある「米」や「とうもろこし」など植物由来のバイオマス素材製品が注目されています。使用環境や用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
Q2:使用済みの紙容器や紙袋はすべて古紙リサイクルに出せますか?
A:食品の汚れや油分がついた紙、防水加工(耐水コーティング)が施された紙容器はリサイクルできません。これらを混ぜると再生紙の品質が落ちるため、汚れを洗えないものは可燃ごみに出すか、リサイクル可能なマークがついた製品を選ぶ配慮が必要です。
Q3:企業や店舗が脱プラを進める際、コスト面での負担を抑えるコツはありますか?
A:単に全素材を紙へ置き換えるのではなく「カトラリーやストローの提供を有料化・希望制にする」「受取辞退者にポイント還元する」など、提供量自体を減らす仕組みを併用することで、素材変更に伴うコスト増加を抑制できます。
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2026年 加筆修正










