ドリーム燃料がもたらす脱炭素な未来
みなさんこんにちは。
SDGsを経済の観点から捉えた記事を主にUPしています。eSです。
未来の燃料と言われている【合成燃料】が世界中にあるガソリンを変えていくかもしれない。
今回はカーボンニュートラルを達成する期待がもたれているドリーム燃料=合成燃料は、回収されたCO2(二酸化炭素)とグリーンH2(水素)を合成してつくる人工原油です。
この【合成燃料】はガソリンより90%もco2の排出を削減すると見込まれています。各国が争奪戦を繰り広げられるとまで言われているこの合成燃料。そのドリーム燃料に白羽の矢が立っているのが、チリ最南端に位置するプンタ・アレナスの”ハルオニ”工場です。2027年までに車数1400万台を満タンにする5億5000ℓを生産すると見込まれています。
今までの水素エネルギーは、「グレー水素」「ブルー水素」「グリーン水素」という、3種類に分けられていました。
石油や天然ガスに含まれるメタンなどの炭化水素を、水蒸気と反応させてH2とCO2に分離する方法はグレー水素と言われ、化石燃料に依存し、分離されたCO2はそのまま大気に放出されるなど環境価値が高くないため「グレー水素」と見なされていました。
「ブルー水素」とは、前述の「グレー水素」から分離された二酸化炭素を排出する前に回収し、貯蔵した水素のことをさします。もうひとつのグリーン水素は、水を電気で分解して水素と酸素に分け、水素を取り出します。そのあと使われる電気を、化石燃料由来ではなく、再生可能エネルギー由来の電力にすれば、CO2が発生しないクリーンな方法で水素が生成できます。これは”電解法”とよばれてます。
そしてCO2と水素の両方を作る過程で、化石燃料を一切使わずに生成された場合、合成燃料のなかでも特別に【e-fuel】と呼ばれ、理想型とされています。
これが【ドリーム燃料】【合成燃料】です!
今までは高級車を購入するユーザーはガソリン燃料を好んでいましたが、このプロジェクトにおけるチリの工場『Haru Oniパイロットプラント』がついに完成したようで、2022年12月20日にチリのエネルギー大臣Diego Pardow氏によって正式に開設されたとの発表がありました。
この工場開設の際には、ポルシェの取締役会メンバーであるBarbara Frenkel氏とMichael Steiner氏が、この工場で製造された最初の合成燃料をポルシェ911に給油するというセレモニーが行われたそうです。フォルクスワーゲン傘下のポルシェがこのセレモニーを行うということと、工場設立と、実際に【合成燃料】をつくれるとのこともあり、今後の世界のカーボンニュートラル達成に大きな貢献となることは間違いないと言われています。
あれから2年半…そして2027年まであと4年。ガソリンが過去の燃料になるのはもうすぐそこまで。とても楽しみです。